近年、どんどん注目を浴びている声優業界。
現役で活躍している声優だけで約1800人、そんな声優を目指している声優志望が30万人以上もいると言われています。
これを聞いただけで、かなりの狭き門だということはわかりますが、それでも夢は諦められないもの。
中には、20代後半で声優を目指している人も多くいらっしゃいます。
ですが、「20代後半で声優なんて目指せるものじゃない」なんて噂はよく聞きますよね。
ということで今回は、20代後半で声優志望ぶっちゃけどうなのか、現役で声優・ナレーターをしているきちのすけが、徹底解説していきます!
【結論】なんの声優を目指しているのかによる
声優と言っても、いろんな種類があります。
- アニメ声優
- 外画声優
- 声優ナレーター
- VTuber声優
- ネット声優
ざっと思いつく限りでもこのくらい。
全部声優ではあるのですが、実はアニメ声優とそれ以外で、かなり事情が変わってきます。
このあと詳しく説明しますが、アニメ声優は事務所所属が必須、その他は事務所所属がマストではありません。
※例外あり
となった場合、基本的に声優事務所は若い人を取る傾向にあるので、アニメ声優を目指す場合、20代後半はかなり不利になるのです。
アニメ声優志望なら20代後半は遅い

先ほども少し触れましたが、アニメに出たいと思っているのなら、20代後半で声優になるのはかなり厳しいです。
ここからはその理由について詳しく説明していきます!
なぜ20代後半では遅いのか
結論から言うと、需要がないからです。
最近売れている声優さんが何歳くらいなのかご存じでしょうか?
特に、メインどころを任されている新人声優さんは基本20代半ばであることが多いと思います。この時点で、20代半ばが新人声優の層であることがわかりますよね?
もっというと、子役から活動をしていて声優に転身した声優さんも多くいらっしゃいます。そうなると、デビューが中学生、なんていう声優さんがいらっしゃるわけです。
そしてこれはかなり現実的な話になりますが、声優は若い方がファンが増えやすいです。
特に近年の声優業界は、アイドルのような売り方をする作品が数多く存在しています。
中には、技術がまだまだな若い新人声優を起用し、その不完全さを作品の中のアイドルとリンクさせ一緒に育てていく、という一つのエンタメとして成り立っているものもあるくらいです。
となった場合、10代後半の子がその作品でデビューし、年月を重ねて20代半ばで売れ始め、「いいお姉さんになったなぁ」とファンから祝福される、なんていうストーリーに仕上がったら綺麗だと思いませんか?
逆に、20代後半で同じように起用された場合、まず「この年齢でこの実力かよ」というところから始まり、作品が盛り上がる頃には30代半ばになっているわけです。
普通のアイドルに、30歳の新人がいないのと同じような感じだと思います。
アイドルなんて、20代半ばで引退する人の方が多いくらいですしね。
アイドル的な需要が続く限りは、若くないと正直厳しい業界なのです。
もちろん、40代50代で活躍されている声優さんもいらっしゃいますが、それは、技術と経験あってこその話になります。
アニメ声優を目指すにはなぜ若い人が有利なのか
先ほども少し触れましたように、若いと需要があるというのもありますが、年齢が上がるにつれて高い技術を求められるようになる、というのもあります。
若い=経験が浅い、というのは当たり前で、多少技術が伴っていない場合でも起用される場面が多くあります。先ほど紹介した、アイドル声優のような感じです。それでももちろん、一定の技術を持った人が選ばれています。
ですが年齢が上がるにつれて、技術が伴っていることが絶対条件になってくるのです。
アニメのキャスティングでよく見られるのが、主人公に若い新人を起用し、周りをベテランで固めて作品のクオリティを保っている構図。
この構図をみた時に、実力がない20代後半以上の新人声優が入る場所って、無さそうですよね。
もしこの戦場でキャスティングされたいのであれば、ベテランを負かすくらいの絶対的技術力を身に着ける必要があるのです。
また、20代後半以降になると、年齢的にもキャピキャピ主人公を狙うのが難しい年代になっていきます。親役だったり、教師だったり、社長だったり、年齢を重ねた役どころというのは、肝の座った落ち着きを求められることが多いので、新人であっても、安心して任せられるお芝居を見せなければなりません。
芝居の安定感というのも年齢による壁になるのです。
声優のオーディションに年齢制限がある理由
「声優オーディション」と検索して出てくるものには、基本的に年齢制限が設けられていると思います。
何度も解説していますが、声優アイドル募集!というようなものは、作品のコンセプト的にも、20代半ばくらいまでの募集が一般的です。
ではそのほかの、養成所や声優事務所のオーディションに年齢制限があるのはなぜでしょうか?
結論、若い方が伸び代があり支配下に置きやすいからです。
飲食店バイトで例えてみましょう。
- 若くて未経験だが、教えられたことはすぐに覚えて成長が期待できる
- 40代飲食未経験、ある程度社会経験はある
1か2を選ぶとしたら、1を選ぶと思いませんか?
真っ白な未経験に教えれば、その店のルールも何もかも全て吸収してくれますが、いろんな知識を持った未経験は、ある程度仕事に対して自我があるはずなので、支配下に置きにくいのです。
若くない人は、良くも悪くも自分色に染まりすぎていて伸び代が期待できない場合が多いもの。それゆえ、どうしても年齢制限が必要になってしまうのです。
ですが、年齢不問で開催されている、養成所や事務所のオーディションも存在します。
ただここで言う年齢不問というのは。オーディションの時点である程度の技術と経験を持っている人のことであって、未経験の20代後半以降も大歓迎!と言う意味ではありません。
伸び代のある新人を探すと同時に、即戦力となる人材を探すための枠なので、かなりの実力を持って挑まないと相手にすらされないことを覚えておきましょう。
アニメにこだわらないなら年齢はあまり関係ない

アニメ声優志望は、20代後半だと遅いという話をしましたが、アニメ以外であればまだまだ諦める必要はありません。
ここからは、アニメ以外の声優についてや、どうして年齢に左右されないのかを解説していきます!
あまり顔を出さないジャンルの声優だから
近年、アニメ声優はメディアへの露出が絶対と言っていいほどに増えました。お昼の番組でレギュラーをしている声優さんや、音楽番組にまで進出している作品もあるくらい。
そのため、アニメ声優は良くも悪くもビジュアルが重視されるようになってきており、若い方が圧倒的に需要があるのです。
ですがそれ以外の、外画やナレーションといったジャンルの声優は、あまり表に出てくることがありませんよね?
なので、声の良さと技術の高さがあれば、年齢があまり関係ないジャンルなのです。
そのため、比較的どの年代の人でも目指せるジャンルと言えます。
ネット声優とは
ここまでに解説してきたものと、少し違う位置にいるのがネット声優です。
これも、声優でありながら年齢制限がないジャンルになります。VTuberなんかもネット活動が主になるので、ネット声優に近いものなのではないでしょうか。
ネット声優は、商業のアニメ作品やゲーム作品以外の作品で活動する声優のことです。
主にXなど、ネットで募集されていることが多く、声優経験がない人でも応募できるものが多くあります。
ギャラも様々で、無償も多い印象。
この活動形態がプロなのかアマチュアなのかと言われると難しいところですが、筆者は、自分がプロとしての自覚を持っていてお金をもらっているのであればプロだと、思っています。
ただ、ネット声優としての経験を積むことでアニメ声優になれる、というのはありません。
アニメのオーディションは事務所に所属していないと来ないものです。(公募のオーディションを除く)ネット声優としての実力がどれだけあっても、「アニメに出ませんか?」なんてお声は絶対にかかりません。
そのくらい、ネット声優は別ジャンルの声優であることを知っておいてください。
20代後半でアニメ声優を目指す方法

ここまで、20代後半からアニメ声優になるのがどれほど難しいことかを解説してきましたが、実は諦める必要はありません。
20代後半からでも、アニメ声優を目指す方法はちゃんとあります!
年齢制限のない養成所や事務所を探す
先ほども紹介しましたが、年齢制限がない養成所や事務所のオーディションもあります。
特に養成所であれば、入れる可能性が高いです。
※養成所ビジネスという悪質でぼったくりのような養成所もありますので注意してください。
その人にちゃんとやる気と伸び代があれば、育ててみようと思ってくれる養成所はあるはず。でも、若い人を育てたいという気持ちは養成所にもあるので、年齢が上になればなるほど、可能性が低くなることも理解しておいてください。
また、事務所の所属を目指す場合は、ある程度の実力やスター性が身についていることが絶対条件です。即戦力が求められます。
とはいえ、どんな人が受かるかなんて正直わかりません。
実力がないからと諦めるのではなく、ぜひ体当たりでオーディションに挑戦してみてください!
別ジャンルから声優を目指す
芸能人という大きな括りで見れば、俳優も声優もモデルも大差ないように感じますが、その中でも、声優はかなり孤立した業界として知られています。
声優事務所以外の芸能事務所には、アニメ作品の話はめったに回ってこないと言われています。
ですが最近、俳優をしていた人が声優デビューしたり、アイドルから声優に転身したり、なんて話をよく聞きませんか?
どういう経緯でそうなったのかは筆者にもわかりませんが、一つ言えることは、他ジャンルで人気を出せば「声優やってみませんか」としての話が入ってくる確率が上がるかもしれない、ということです。
なのでもし、しっかりとしたやる気があるのであれば、タレントや俳優、アイドルといった方向から、最終目標をアニメ出演に掲げて活動していくのもありだと思います。
ただ、まずタレントや俳優になることが難しいのが現実です。
ですが、声優ほど年齢に厳しい世界ではないので、本気で芸事をしたいんだという人は、選択肢の一つとして考えてみてください!
自分にあった夢の追い方で悔いのない人生を

夢を叶えるにあたって、タイムリミットというものはどうしてもついて回ってきます。
よく「年齢なんて関係ない」なんて言いますが、業界のことを知ってしまった筆者からは、そんなこと口が裂けても言えません。
励ますために言ったその言葉が、その人の人生を狂わせる可能性だってあるからです。
でも、諦める必要は全然ないと思います。筆者自身もまだ諦めていません。
やりきった、と言えるまでは、やってみてもいいんじゃないでしょうか?
自分の人生を潰さない程度に。

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